12月25日(土)08:25

一色家宅、リビング




母親 「ほんっとバカねぇ」

兄主 「慧の夢を壊すわけには、イテテ…………」

母親 「でもまあ、ニ階から飛び降りて捻挫だけですんで良かったわね」

兄主 「運動神経には自信あるからな!」

母親 「お父さんが帰ってくるまで外にいるんだもの、風邪ひくわよ?インターフォン押せばよかったのに」

兄主 「俺必死に庭に面したドア叩いてましたけど!?全然気付かなかった人がそれ言うか!まあ父さんが10時半に帰ってきてくれてよかったよ」

母親 「朝まで痛みに気付かないってのも間抜けよねぇ。おおかた慧絡みで浮かれてたんでしょうけど」

兄主 「(うっ)今度慧にはサンタは魔法の力でどんなドアでも開けられて子供にしか見えないから玄関から出入りするんだって教えておこう……

母親 「………来年もまたやる気なのね」

弟主 「おはよー………」

母親 「慧早いのね、おはよう」

兄主 「おはよう、慧。おにいちゃんがいった通りサンタクロース来ただろう?」

弟主 「プレゼントあった!」

兄主 「良かったなー。今年も熱中して言うこと聞かなくなるのかな?」

弟主 「ううん!きのうことしはしないってやくそくしたの!」

兄主 「へぇー、だれと?」

弟主 「ないしょ!」

兄主 (サンタの言いつけを守ってるんだろうけど、あっさり内緒にされると内心グサッとくるものがあるなぁ………)

弟主 「らいねん、またくるっていってたから、そのときにいっていいかきいてあげる!」

兄主 (昨日、つまり12月24日、来年もまた来るってほとんど言ってるようなもんじゃんっ!)

弟主 「おにいちゃん…………その、ね、まくらもとに何かなかった?」

兄主 「あったぞー。これ、慧がサンタさんに頼んでくれたのか?」

弟主 「うん!」

兄主 (サンタに会ったこと確定じゃん!)

弟主 「気にいった?きゅうしゅうのね、ミチノエキってとこでねうってたんだよ。このふえ!」

兄主 「これな、オカリナっていうんだぞ。これはペンダントでちっちゃいけど、本物はもっとおっきくて色んな音出せるんだ」

弟主 「うれしい?うれしい?」

兄主 「めちゃくちゃうれしい!ありがとなーっ!慧!」

弟主 「えへへ。おにいちゃんもサンタさんからプレゼントもらった?」

兄主 「う、え、うん、貰ったよ。お菓子の靴ー。慧の分もあっただろ?」

弟主 「うん、サンタさん2個くれたのかな!」

兄主 「慧が可愛くていい子だからきっと2個くれたんだな」

弟主 「やった!」

兄主 「じゃあ、朝ごはん食べるか!そんでその後プレゼントのお菓子ちょっと食べて、オルゴールとオカリナで遊ぼうな!」

弟主 「うん!」

兄主 「じゃあまず顔と手洗うぞ。おいでー」

弟主 「はーい」

母親 「歩けないほど痛いんじゃなかったのかしら?……まったく」