無常の風は時を選ばず
つひにゆく 道とはかねて 聞きしかど
昨日今日とは 思はざりしを
・・・・・・在原業平
零
人間はいつか死ぬ。
どうせなら今すぐ命の灯火が消えてしまえばいいのに、と思い続けていた。
しかし、自ら命を絶つ程それを切望している訳でもなく。
ただ無為に生きていた。
だが。
やっと生きる価値を見いだした時に命を落とすとは。
存外俺は、神に嫌われているようだ。